【記事】
2000年もの間、感染症は「悪い空気(ミアズマ)」がもたらすものだと曖昧に考えられていた。しかし「病気を媒介するもの(コンタギオン)」が存在するという説が登場すると、劇的な進歩が始まった。
ある者は顕微鏡越しに微生物の世界を見出し、ある者は病院での従来の手技を疑い、ある者ははるか異国の予防法の普及に努めた。科学者であるかどうかにかかわらず数多くの探索者たちがそれぞれの方法で病に立ち向かい、その知識のリレーにより、感染症学の基盤が作られた。
本書はその劇的な進歩の過程を、ジェンナー、パスツール、コッホを中心に、研究者同士の論争や世論との衝突なども含めて描きだす。結びとして、たびたび新興感染症が現れる現代社会でこの遺産が生かされている一方で、3人の視点に学ぶべきことが残されていると指摘する。