【記事】
池淵恵美の小説第2作。
街の中にあたたかな居場所をつくり、人生への再チャレンジを応援する場にしたいという思いから「セカンドステップ」と名づけられたメンタルクリニック。本書の主人公である奈々と健吾は、複雑な環境下に育ち、こころの痛みと生きづらさを抱えていたが、偶然、同時期にこのクリニックのデイケアに通い始めることになる。長い時間をかけ、後戻りや重症化を経験しながらも、信頼できる仲間や家族、クリニックのスタッフたちに支えられ、生きる力を取り戻していく二人。その繊細な回復への歩みを、精神科医である著者が長年の経験に裏打ちされた筆致で鮮やかに描き出した物語。