こころの危機へのユング心理学的アプローチ——スピリチュアル・エマージェンシー再考
【目次】
第一章 スピリチュアル・エマージェンシー再考(1)
第二章 スピリチュアル・エマージェンシー再考(2)――夏目漱石における「焦慮」と「余裕」
第三章 スピリチュアル・エマージェンシー再考(3)――ルソーにおける透明性と業熟体(有分心)
第四章 スピリチュアル・エマージェンシー再考(4)――ユングにおける「無意識との対決」
第五章 スピリチュアル・エマージェンシーを超えて
第六章 家族の「布置」と縁起――ある男性の箱庭制作を通して
第七章 トポスの共有から河合隼雄先生を考える
【記事】
人生の危機的状況は,人間の精神の危機的状況──スピリチュアル・エマージェンシー──でもある。一方,その重みゆえに,破壊だけではなく,新たな生命の輝きをもたらすこともある。
本書は,夏目漱石,ルソー,ユングらの人生の暗黒期を素材に,彼らがスピリチュアル・エマージェンシー(こころの危機)をいかに体験し,生き延び,創造性につなげたかを,ユング心理学的アプローチを通して検討し,病の新たな意味を見い出すと共に,精神病の治療にあたって,パターナリズムからの脱却と,自然治癒力を引き出す援助・成長モデルへの転換の必要を提言したものである。
ユング派分析家による心理支援を一段深める考察に満ちた一書。