【記事】
RSウイルス(RSV)呼吸器感染症は多くが自然軽快する一方で、早産児や基礎疾患を有する新生児・乳幼児では重症化するリスクが高いといわれています。5歳未満の小児においては、世界で年間3,300万人がRSVに関連する急性下気道炎を発症し、うち360万人が重症化により入院、さらに101,400人が死亡しているとの推計があります。特に、6か月未満の乳児においては、世界で年間140万人が入院、うち45,700人が死亡していると推計され、生後6か月までの重症化予防は小児医療の喫緊の課題の一つであると考えられます。
わが国では2026年4月より、RSVに対する母子免疫ワクチンが定期接種化されました。また、複数の抗体医薬品が開発・販売されるなど、わが国の重症化予防手段は広がりつつあります。RSV呼吸器感染症の診療を取り巻くこのような近年の変化に対応するために、発行に至ったのが本書です。本書は、2021年に上梓した前版を改訂するかたちで作成されました。