【記事】
痛みや呼吸困難,悪心のような代表的な症状には,教科書に詳細な記述があり,ガイドラインがあり,出版されているマニュアルにも取り上げられて,行うべき治療がおおむね決まっている。臨床家は,悩みながらも「これくらいやれば合格だろう」という線をイメージすることができ,その通りに対応する。ただ,教科書通りの苦痛緩和をやっても,「すっきりしない症状」が実際にはさらに多いことを経験する。
成書に記載はあっても,すっきりしないことが多い症状や,そもそも詳しく取り上げられていない,また遭遇する頻度は比較的少ない症状について「どこまでやれていたら合格なのか」「最低でも,ここまではしておきたいラインはどこなのか」と試行錯誤する臨床家が,「これくらいやれば,だいたいは合格らしい」と確信することで,患者の苦痛緩和に貢献できるように編集されたものである。