【記事】
タックルを受けて頭を地面に打ちつける,ヘディングの競り合いで頭をぶつける,飛んできたボールが頭部を直撃する――スポーツの現場では,思いがけず頭部を負傷する場面が少なくない.頭のケガは脳への影響を考慮する必要があり,判断や対応が難しい.その代表的な例が脳振盪である.
本書は,脳振盪を起こしてしまった選手が安全にスポーツの現場へ復帰するために,何に注意すべきかを丁寧に解説する.就学・就業への復帰に際しての留意点を示したうえで,各競技に応じた試合復帰までの具体的なステップを提示する.脳振盪の専門的知見に加え,各種競技に精通した執筆者陣が,どの段階までの運動が可能かを具体的に示す.
脳振盪は,場合によっては選手生命を脅かしかねないケガである.しかし,適切な対応を行えば,競技復帰の可能性は確実に高まる.本書は,スポーツの現場を支える教員,指導者,トレーナー,医療スタッフに向けて,脳振盪への理解を深め,適切な復帰につなげるための一冊である.