【記事】
漢方方剤の本質を捉えるカギ,それが「対薬」である。「対薬」という視点が漢方方剤の理解に革新をもたらす。
「対薬」とは,臨床的合理性をもつ2味の生薬による配合単位である。本書は,生薬構成の基本単位として対薬を捉える「対薬理論」にもとづき,漢方方剤の背後にある理論を理解し,さらに臨床応用への道筋を示すことを主眼に執筆された。
方剤学には,漢方の基礎理論・病因病機論・治療理論が含まれており,本書を通じてそれらの理論を同時に学び,最短の時間で漢方の基本を習得できるよう構成されている。
また本書では,生薬構成の新たな配合形式として,「対薬対」「複合対薬対」「四合薬」「三連薬」「三合薬」「三連薬対」「五連薬」などを定義し,これまでにない方剤理解の枠組みを提示している。