【記事】
「最期の時まで自分らしく」を支えるために
腎不全には透析や腎移植などの腎代替療法が複数あり,それらの導入や,場合によってその見合わせにより,予後もそれぞれ大きく変化する点が,他の臓器不全と異なる特徴です.さらに近年では高齢化に伴い,透析の見合わせによる保存的腎臓療法(CKM)や,意思決定に迷う場合の期限付き透析の実施(time limited trial)といった,考慮すべき選択肢も増えており,関わる医療者も腎臓内科や泌尿器科,透析医療,在宅医療や緩和ケアなど多領域・多職種にわたります.
本書では,腎代替療法の有無を問わず,保存期から末期腎不全、そしてエンドオブライフ期に至るまで患者さんのたどる道のりを念頭に,ふまえておくべき背景知識を解説し,多様な状況への対処法を豊富な事例とともに探ります.
患者さんに最期の時まで自分らしく穏やかに過ごしてもらうための方法を,関係者皆で考えていくための一冊です.