【記事】
中高校生、大学生から社会人への移行、恋愛、結婚、子育てなど、多様な発達過程を経ながら、家族や社会の中でアイデンティティを形成する年代は、AYA(Adolescent and Young Adult)世代と呼ばれている。その思春期・若年成人は、がんの診断や治療を受けることによって、人生やライフプランに多大な影響がある。また、本人に悪い知らせを伝えないように家族から依頼された時の対応や、家族の悲嘆へのケアも必要になってくる。
本ホスピス緩和ケア白書では、AYA世代の緩和ケアの現状を把握し、課題を明確にした。さらに、個別化した支援と多職種連携に焦点を当てながら、臨床、研究、教育、政策の各側面からAYA 世代患者への包括的な対策に繋げることを目指した。今後、AYA世代への緩和ケアの取り組みが拡がっていく契機となることを期待する。