【記事】
薬は、それぞれの剤形に応じた工夫が施されており、適切に服用することで最大限の効果を発揮します。しかし、多くの患者さんが「体調が良い」「治療は不要」と自己判断して服薬を中止し、病状を悪化させるケースが報告されています。これは、薬の役割や重要性に関する情報が十分に伝わっていないことが一因と考えられます。患者が自己判断で服薬を中止しないようにするためには、薬に関する知識を深めることが必要であり、患者に関わるすべての医療者が、適宜、薬に関する情報を提供することが重要です。
本書は、医療現場で働く皆様が日常業務で使用する薬についての知識を深め、患者さんへの適切な情報提供につなげることを目的として企画しました。臨床でよく使用される薬について、薬剤学や薬理学の視点から「なぜ薬が効くのか」をわかりやすく解説しています。医療者の皆様が得た知識を患者さんに伝えることで、服薬の重要性への理解が深まり、アドヒアランス(服薬遵守)の向上につながることを願っています。