【目次】
1章 あなたにとって「いのち」とは
2章 ヒトも生きものの一員である
3章 生命をつくりだす場「細胞」と遺伝情報「DNA」
4章 遺伝子を探る、知る 遺伝子研究の発展―ヒトゲノム解析へ
5章 遺伝子を操作する―ヒトゲノム編集で命を作り出す
6章 遺伝性疾患の話
7章 生命倫理の歴史と課題―いのちを守るための原則
8章 医療資源の配分─誰が生き、誰が死ぬのか
9章 生殖補助医療─子は授かるものから、つくるものへ─
10章 胎児を探る、受精卵を探る─子はつくるものから、つくられるものへ─
11章「こうのとりのゆりかご」と養子縁組
12章 受精卵や胎児はいつから「ひと」になるのでしょうか
13章 人の死─脳死と臓器移植─
14章 人の死─安楽死と尊厳死─
【記事】
本書は、「人間とは何か」「いのちとは何か」といった根源的な問いを考え、追求する生物学と生命倫理の入門書です。
前半(第1~6章)では、生物学の基本的な知識を学び、生き物の機能やシステムを分子レベルで解説。後半(第7章以降)では、それを基に生命倫理のさまざまな課題を取り上げ、医療技術の目的や応用を倫理的に考察しながら、「科学・技術」と「いのち」との関わりについて述べています。
全章で質問形式を採用し、Discussion(討論課題)を設けることで、読者が自ら考え、議論を通じて他者の意見を尊重しながら理解を深められる構成となっています。本書を通じて、いのちの不思議さに畏敬の念を抱きつつ、科学や医療に向き合うヒントを得てほしいという願いが込められています。