【記事】
臨床研究法の施行に伴い、臨床試験の実施に対するハードルが高いと感じる研究者は少なくありません。臨床試験に関連する書籍は多数存在し、統計や試験デザイン、関連法規について詳しく解説されたものも多くあります。しかしながら、実際のプロセスや進行手順を具体的かつ網羅的に解説した「実践的な手引き書」はまだ少ないのが現状です。
本書は、臨床試験の実施に必要なノウハウを網羅的にまとめた一冊です。特に、大学病院や基幹病院において、特定臨床研究レベルの試験を進めることを目的としています。本書は、国立大学病院臨床研究推進会議(TG3)のメンバーを中心に執筆されており、臨床試験を行う研究者にとって信頼性の高い、実践的なガイドとなることを目指しています。
また、2024年から始まった医師の働き方改革により、研究に専念できる時間がさらに制約されることが予想されます。このような厳しい状況下でも、研究をあきらめずに進められるよう、本書が支援者となり、研究者が進むべき方向性を示す「道しるべ」となることを願っています。本書が、臨床試験に挑むすべての研究者の一助となれば幸いです。