【記事】
通常は知覚できない心身の状態を“見える化”し,自律神経の調節機能を向上させるストレスマネジメント技法「心拍変動バイオフィードバック」。近年では安価な計測機器や専用アプリの普及により,本技法によるリラクセーションを日常的に活用できる環境が整えられています。本書は,日本における心拍変動バイオフィードバック研究の第一人者である編者と,本アプローチを各領域で活用している共著者を迎え,ストレスマネジメントの臨床実践に新たな視点と技術を提案する一冊です。
うつ病や慢性的な身体の痛み,PTSD,不眠などのストレス関連症状の緩和に有効な介入法をわかりやすく解説しながら,発達障害を抱える子どもに対する認知行動療法・トラウマケアへの応用や,非行臨床領域での実践などについても詳述されています。ストレスマネジメントの臨床に携わる心理職,看護やリハビリテーションの専門家,心理生理学の研究者らに向けて,心拍変動バイオフィードバックの基礎理論から実際の導入例までを網羅しました。