【目次】
リンパ浮腫治療に必要な基礎知識
リンパ管の解剖―機能的リンパ解剖,機能的ICG蛍光リンパ管造影検査,リンパ流再建術― 品岡 玲
解剖は診断,治療の基本です.適切な注射部位から始まり,リンパの状態を正確に判断することが最も重要になる.
リンパ浮腫の画像診断 秋田 新介
画像診断を用い,術前から術後フォローまで客観的所見を記録することで,治療成果の向上を図ることができる.
リンパ浮腫外来で必要な基礎知識
弾性着衣
塚越みどり
圧迫療法は長期間にわたるため,患者の重症度,身体機能,生活背景に適した弾性着衣を選択し,継続することを目指す.
リンパドレナージ 寺口佐與子
リンパドレナージは,タンパク質の再吸収を促進させるために用手的に刺激し,表在性のリンパ管から深部のリンパ管へのリンパの流れを増加させることであり,うっ滞療法の1つである.
治 療
今すぐ始めるリンパ管静脈吻合
塗 隆志ほか
今回はこれからリンパ管静脈吻合(LVA)を始める方に向けてLVAの方法とコツをまとめた.LVAはまだまだエビデンスの低い治療であり.治療後の評価やFeedbackも重要である.
今すぐ始めるリンパ節移植 山下 修二
血管柄付きリンパ節移植の手法は多様化している.皮弁の挙上法,移植部位,手術適応について基本的な考え方を示す.
今すぐ始める脂肪吸引 山田 潔ほか
リンパ浮腫に対する脂肪吸引術は心身への負担があるものの適切に実施することで様々なメリットを得ることができる.近年の変更点を含めた手技と周術期管理について述べる.
重症リンパ浮腫症例に対する私どもの治療戦略―元気になったらJRで鉄道旅行を!― 三原 誠ほか
超重症リンパ浮腫症例が長期的に改善し,社会復帰することは,患者のみならず,治療に携わる医療者の夢です.私どもは複数の超重症例を経験したので,治療のコツを5つの戦略にまとめた.
リンパ管静脈吻合術(LVA)を成功させるために必要な静脈機能評価 佐久間 恒
LVAを成功させるためには,neglected targetである静脈の特性を理解した上で戦略的に治療を行っていくことが重要である.
トリアムシノロンアセトニド(ケナコルト®-A)のリンパ浮腫への応用 堀 直博
筆者の行っているトリアムシノロンアセトニド(商品名:ケナコルトA)によるリンパ浮腫の皮下組織変性部位の治療経験につき詳述する.