天才の臨床心理学研究──発達障害の青年と創造性を伸ばすための大学教育
【目次】
第1章 発達障害と個性(は違う?)
第2章 (何かと楽しくない)発達障害の学校生活
第3章 創造性という言葉は難しい
第4章 天才と創造性と障害
第5章 理系研究者たちの個性的な創造性4タイプ
第6章 ロールシャッハ法からみるパーソナリティ・認知・思考
第7章 「実のなる木」描画検査に創造性は表出されるか?
第8章 文章完成法からみる心理・社会的安定性と創造性
第9章 ロールシャッハ法とバウムテストの事例から考える創造性
第10章 子ども時代から現在までの個性的人生
第11章 創造性の3本柱を育てる
第12章 知能検査にみる凸特性を育てる
第13章 対人関係という難問
コラム①今どきの大学生の幸福感
コラム②今どきの子どもたちの幸福感と不幸感
コラム③コレクション自慢の会にみる創造性
コラム④学生相談のすすめ
コラム⑤生きづらさを糧にして生きる道
エピローグ
【記事】
この本は,ノーベル賞を受賞した天才研究者をはじめとした,世界的な業績のある理系の研究者たちの協力を得て,彼らの中にある「創造性」を心理アセスメントや心理面接等で解き明かそうとしたものです。
天才たちの多くは,ちょっと社会の枠組みからはみ出した変わり者。発達障害と診断される可能性もあります。一方,その天才たちは,その社会性のなさから社会からつまはじきにされ,空気が読めないと周囲の理解を得られません。
現代社会においては,天才たちをつぶすのも,創造の翼を広げさせるのも大学教育にかかっています。天才たちの個性と周囲のあり方を考えた1冊です。
名古屋大学の臨床心理学研究者たちが探ったノーベル賞クラスの「天才」研究者の創造性の原点とは──