【目次】
本邦におけるスレッドリフトの変遷と現況,最新のトレンドについて 鈴木 芳郎
糸の素材や構造の進化に伴い,それぞれの糸の特性がはっきりしてきたと同時に,使い分けができるようになってきて,効果の発現機序およびその限界が明確化してきた.我々は,それらを熟知した上で,様々な糸を適材適所で有効に使っていかなければならないと考えている.
基本的なスレッドリフト
Mono Threadのみを使ったスレッドリフト
今泉 明子
本来,下垂した組織を挙上することがスレッドリフトの目的であるが,Mono Threadの場合,皮膚をタイトニングする,表情筋の収縮を抑制する,さらに肌質改善を図る目的であることをあらかじめ理解しておく必要がある.
Cannula Cog Threadを中心に使用したスレッドリフト
私のスレッドリフト法―診療における様々な糸の使い分けと他治療とのコンビネーションについて― 先山 史
様々な種類のスレッドリフトがあるが最適な糸の選択が重要であり,他治療と併用することで相乗効果をもたらす.
当院で行っているスレッドリフトを中心としたタルミ治療の実際と課題 福澤見菜子
満足度を高めるためのスレッドリフトおよびボツリヌス毒素とヒアルロン酸を併用した複合治療のコツと長期経過,術後の患者アンケートから読み解くスレッドリフトの現況と課題について述べる.
皮下脂肪コンパートメントを考慮したスレッドリフト―APTOS threadによる手術と3D画像解析― 杉野 宏子
・浅層脂肪コンパートメントの理解が重要である.
・スレッドリフトで挙上するのは軟部組織,皮膚ではない.
・ノッチ付き吸収糸APTOS threadによるスレッドリフトを行った.
・3D撮影の結果,手術後の体積の変化効果は6か月後も続いている.
顔全体を俯瞰し長期的視点で行う安全性の高いスレッド治療―前額部・中顔面・鼻へのスレッド処置の重要性― 吉田 由佳
スレッド治療は長期的な視点で安全を担保しながら定期的に行う予防治療であり,フェイスラインだけでなく,前額部や中顔面など顔全体を俯瞰してそれぞれの部位に適切なスレッド処置をすることが重要である.
TESSLIFT SOFT®を使ったスレッドリフト 梁川 厚子
TESSLIFT SOFT®の特徴を捉え,患者の要望するデザインを考えることでタルミの引き上げと引き締めを行える,世界46か国以上で使用されている第3世代のスレッドリフトである.
TESSLIFT SOFT®とAnchor DX double®を用いたスレッドリフトとその複合治療のテクニック
小川 英朗ほか
一般的なカニュレーコグタイプの糸ではない,やや使い勝手に慣れを要するAnchor DX double®とTESSLIFT SOFT®の使用方法のコツとそのコンビネーション治療に関して述べる.
MWデュアルリフト®―skin surfaceごと持ち上げ,そして下垂組織を組み立て直すスレッドリフト― 脇田 加恵
従来のスレッドリフトの方法の既存概念を様々な視点から見直し,ドラマチックな引き上げと効果の持続を実現した新しい手法である.
Bi-needle Threadを使用したスレッドリフト
バイニードル(ロングスレッド)を使ったスレッドリフト―単独治療と併用治療― 寺町 英明ほか
バイニードルを使用することによって,今までスレッドリフトで改善が難しかった顎下のタルミ治療や,より効果の高いままのリフトアップ治療例を紹介する.
特殊な部位のスレッドリフト
鼻の形成のためのスレッドリフト―TESSLIFT SOFT®スキャフォールド― 田中亜希子
TESS LIFT SOFT®スキャフォールドの3種類の糸の特徴を把握し,それぞれの糸の挿入方法を工夫することによって患者満足度を高めることができる.