【記事】
米国と異なり,本邦では超高齢社会を反映して高齢者肺炎が多いことを考えるとやはり医療・介護関連肺炎の概念はまだ本邦には必要ではないかという意見が多く,今回も医療・介護関連肺炎を残しています。また,2017 年のガイドラインでは医療・介護関連肺炎に対して必要以上に広域抗菌薬を推奨していた可能性が指摘されており,今回のガイドラインでは,エビデンスに基づきできるだけ狭域抗菌薬での治療という流れで検討を行いました。
今回のガイドラインの他の特徴として,高齢者肺炎への対応について充実を図るべく誤嚥性肺炎の領域を作ったこと,COVID-19 の流行に応じてウイルス性肺炎の領域を新設したことが挙げられます。今回も各領域のCQ についてシステマティックレビュー(SR)を施行し,委員会で投票した結果に基づき,推奨の形で提示しております。またさらに,CQに加えてSRのみを施行した議論点も提示することで,実地医家の先生方の疑問に十分なエビデンスでお答えできるものになったと考えています。