脳科学で解く心の病 うつ病・認知症・依存症から芸術と創造性まで
エリック・R・カンデル・著・大岩(須田)ゆり・訳・須田年生・医学監
【目次】
第1章 脳障害からわかる人類の本質
第2章 人類のもつ強力な社会性──自閉スペクトラム症
第3章 感情と自己の統一感──うつ病と双極性障害
第4章 思考、決断、実行する能力──統合失調症
第5章 自己の貯蔵庫である記憶──認知症
第6章 生来の創造性──脳障害と芸術
第7章 運動──パーキンソン病とハンチントン病
第8章 意識と無意識の感情の相互作用──不安、PTSD、不適切な意
第9章 快楽の原理と選択の自由──依存症
第10章 脳の性分化と性自認
第11章 今も残る脳の大いなる謎──意識
【記事】
私たちの脳内には860億個のニューロンがあり、
ニューロン同士が正確に繋がることで、コミュニケーションを取っている。
ニューロンとニューロンの繋がりは、ケガや病気によって変化してしまう。
また、成長の過程で繋がりが正常に発達しなかったり、全く形成されなかったりすることもある。
そうした事態に陥ると、脳機能に混乱が生じて、
自閉スペクトラム症、うつ病、統合失調症、パーキンソン病、
依存症、心的外傷後ストレス障害(PTSD)など
精神疾患の原因となる。
こうした脳の混乱がどのように生じるかを研究し、その治療法の可能性を探ることは、
私たちの思考、感情、行動、記憶、創造性がどのようにして脳で生み出されているのか、
その解明にも繋がっていく。
神経科学者たちの研究成果、精神疾患の当事者や家族の声、治療法の歴史を踏まえながら、
ノーベル賞受賞の脳科学の第一人者が心の病と脳を読み解く。