【記事】
本書は感染症診療における診断に特化した内容となっており、病歴、症候、検査、画像検査、微生物検査など、一筋縄ではいかないケースを意識し、日常診察においてプロブレムリストに挙がる項目をもとに構成し、鑑別診断の一助となる書籍を目指しました。
まずは病歴として国内を含めた渡航歴、それぞれの免疫不全における病態の違い、動物接触歴、既往歴など、身体所見としてバイタルサインの異常を含め、それぞれの症候を軸としたアプローチを挙げました。検査所見、画像所見は今までの感染症関連の書籍で個別に取り上げられることはあまりなかったかもしれません。しかし編著者自身の経験上、これらの結果をもとに診断がついたケースもあり、あくまでも病歴、身体所見に基づく診断推論あってこその解釈ですが、項目として取り上げています。最後にやはり感染症診療の軸として微生物そのものにフォーカスしたアプローチを挙げました。