【目次】
腎疾患の動向と包括的腎臓リハビリテーション 山縣 邦弘
腎疾患の治療目標として,腎機能の悪化防止や慢性腎不全の合併症対策だけでなく,身体機能の維持も重視されるようになった.
慢性腎臓病(CKD)の概念と病態生理 安藤 康宏
①日本人の2人に1人はCKDに罹る(生涯罹患リスク50%).
②自覚症状による早期発見は不可能であり腎機能検査が不可欠である.
③CKDは生活習慣病であり2大リスク因子は高血圧と糖尿病である.
食事・栄養療法
瀬戸 由美
透析患者における運動療法を実施するためには,栄養アセスメントを行い,患者の栄養状態を確認したうえで,食事療法と組み合わせる必要がある.
患者教育における看護師の基礎知識習得の試み 髙田 亜紀
CKD看護の各ステージのポイントを押さえ,患者個々の心身状態を把握したうえでの教育が可能となる機能的で臨床現場で活用できる看護計画書を抜粋して紹介する.
リハビリテーション総論(身体機能評価と運動療法・運動処方の理論)
河野 健一ほか
身体機能評価の流れとその具体的な方法を確認するとともに,トレーニングや運動処方の理論を理解したうえで運動療法を実施することが重要である.
透析中運動療法の適応・禁忌とリスク管理 伊藤 修
透析患者は循環器疾患や糖尿病などの併存症が多いことから,透析中の運動療法実施には,その適応・禁忌だけでなく,運動により誘発・悪化するリスク管理について熟知している必要がある.
透析中の運動処方1:有酸素トレーニング 大川 卓也ほか
透析中の有酸素トレーニングは,嫌気性代謝域値(AT)レベルで運動処方を行い,運動処方に基づいた負荷で実施することで,安全に効果的に遂行することが可能である.
透析中の運動処方2:レジスタンストレーニング 齊藤 正和
透析中に実施するレジスタンストレーニング(RT)を含め,RTは,透析患者の身体機能や生活機能の維持・向上に向けた重要な治療戦略の1つである.
透析中の運動療法の実際(前後評価と管理運営) 大山 恵子
透析中の運動療法を成功するには,医療従事者が運動を治療の一環であることを理解し,運動中は医療従事者全員がルーチンワークの手を止めて,患者に寄り添い励まして運動の手助けをすることが大事である.
包括的腎臓リハビリテーションと診療報酬の変遷 武居 光雄
平成28年糖尿病透析予防指導管理料に『腎不全患者指導加算(eGFR 30ml/min/1.73m2未満)』収載.平成30年,『高度腎機能障害患者指導加算』として,eGFR 45ml/min/1.73m2未満まで対象を拡大.令和4年『透析時運動指導等加算』収載.