【目次】
眼瞼のアンチエイジング―眼瞼の加齢性変化と治療― 大山 泰司ほか
退行性眼瞼下垂には挙筋腱膜前転術を,退行性眼瞼内反症には下眼瞼牽引筋腱膜(lower eyelid retractors:LERs)の前転術であるJones変法やlateral tarsal strip(LTS)との組み合わせを第一選択とする.
ドライアイのアンチエイジング―生活習慣を中心に― 羽入田明子
加齢疾患の代表であるドライアイに関して,運動,食事,睡眠,禁煙といった生活習慣改善による包括的なアンチエイジングアプローチによる予防・治療法の可能性を模索する.
ドライアイのアンチエイジング―ラクトフェリンを中心に―
井上佐智子ほか
涙液中に存在するラクトフェリンは,抗酸化・抗炎症作用をはじめ,鎮痛作用もある.全身的なアプローチやバイオマーカーとしてもドライアイ治療への期待が高まっている.
マイボーム腺のアンチエイジング
蕭 穗文ほか
マイボーム腺機能不全を軽減する新たな治療法として,NAD+要求性のステロイド合成酵素の眼局所における活性を正常化するという方法が考えられる.
水晶体のアンチエイジング―老視治療― 常吉由佳里
従来の老視治療は,矯正器具の装用や観血的治療が主であったが,近年,点眼薬による治療が実用化されてきている.老視治療用の点眼薬について,現状を解説する.
水晶体のアンチエイジング―眼内レンズの選択― 杉田 達
多焦点レンズとモノビジョン法は,数百万年前の人類が獲得した左右眼別の像を融合,消去する能力を用いている.
緑内障のアンチエイジング―サブタイプ,病態,最新の治療― 秋山 果穂ほか
今日の緑内障診療はOCT/OCTA等の診断技術を活用し,薬物治療・低侵襲手術・レーザー等,多様な選択肢から個々の症例にあった治療を検討していくことが望ましい.
緑内障のアンチエイジング―緑内障と血圧― 吉川 匡宣
血圧が緑内障の病態生理に関与している可能性が示されており,緑内障診療を行ううえで可変因子である血圧(特に夜間睡眠中の血圧)にも注意を払う必要がある.
網膜のアンチエイジング―加齢黄斑変性― 永井 紀博
加齢黄斑変性は発症前より老化による組織の脆弱性や慢性炎症が関与し,慢性炎症の遷延や増悪により発症に至る.黄斑色素は黄斑に保護的に働く.
網膜のアンチエイジング―最終糖化産物(AGEs)― 髙柳 佑士
加齢性眼疾患に対して,抗酸化や抗糖化等のアンチエイジング治療によるエビデンスが集積してきており,サプリメント等を活用した予防的アプローチが重要である.