【記事】
初版発行から15年
『新版 急性中毒標準診療ガイド』待望の刊行!
2008年に刊行された『急性中毒標準診療ガイド』(日本中毒学会編)は、わが国の中毒診療の基本として常に参照すべきものとされてきました。しかし時代の変遷とともに診断や治療の潮流も変化し、それらに対応しきれていない点から長らく改訂が強く要望されてきました。初版刊行から15年、本書は最新の知見、エビデンスをふまえ、新版として新たに編集したものです。
【本書のポイント】
・中毒診療もチーム医療・多職種連携が大切――との観点から、院内体制、各職種の役割、整備すべき資器材や設備について具体的に記載しました。
・安全確保、ABCDE に沿ったprimary surveyを重視する考え方については前版を継承しつつ、現在の医療環境に合わせてモニタリング手法や検査方法などについてアップデートを行いました。
・複数の解毒・拮抗薬が新たに承認され、わが国における解毒・拮抗薬の状況も大きく変化してきました。現在わが国で使用されている解毒・拮抗薬について、最新の知見をふまえ、標準的な使用方法を示しました。
・わが国の臨床現場で主に用いられる5つのトキシドロームについて、イラストや表で示してわかりやすく解説しました。
・簡易分析法について、キットの種類やそれぞれの特徴について詳述しました。
・そのほか、中毒学教育の現状と展望、中毒診療と災害対応、症例報告の方法なども、今回の改訂で新たに取り上げました。