ヴァクサーズ オックスフォード・アストラゼネカワクチン開発奮闘記
サラ・ギルバート/キャサリン・グリーン・著・黒川耕大・訳
【目次】
はしがき 〈サラ〉
序章 「何が入ってるかなんて分からない」 〈キャサリン〉
第1章 私たちがワクチンをつくった 〈サラ〉
第2章 感染症X 〈サラ〉
第3章 ワクチンを設計する 〈キャサリン〉
第4章 カネ、カネ、カネ 〈サラ〉
第5章 ワクチンをつくる 〈キャサリン〉
第6章 量産化への道 〈キャサリン〉
第7章 慎重に急げ 〈サラ〉
第8章 治験 〈キャサリン〉
第9章 王子と反ワクチン派 〈サラ〉
第10章 ヴォーグ 〈キャサリン〉
第11章 待つ 〈サラ〉
第12章 使用許可とその後 〈サラ〉
第13章 感染症Y:次の流行に向けて 〈キャサリン〉
第14章 次章 〈サラ〉
【記事】
2020年1月、オックスフォード大学の片隅でこのワクチンの開発を始めた時、サラとキャサリンはただ、自分たちの技術でいかに速くワクチンを開発できるかを示そうと考えていた。しかし感染者の急増に直面すると、予算の目処が立たないまま、自身のキャリアを危うくしかねないことを承知の上で、治験と量産の方法を模索し始める。
そして、一般的な冷蔵設備で輸送・保管でき、途上国も含めて世界中で接種可能なワクチンが誕生した。量産を請け負ったアストラゼネカ社は、パンデミック中は非営利でワクチンを供給することに合意し、このワクチンは治験開始からの1年間に172の国々に届けられた。
「アストラゼネカ社のワクチンは、ほぼ間違いなく、他のどのワクチンよりも多くの命を救っている」(エコノミスト誌、2021年12月16日)
「多様な企業が多様な国で多様な技術を用いて多様なワクチンを製造することが、2021年にワクチンを必要とするすべての人にワクチンを届ける最善の道だった」(本文より)
では、必ず来る次の感染症にはどう備えるべきなのか。必読の書。