食品衛生学 食をとりまく危害要因を科学の視点から正しく理解するために
【目次】
第1章 私たちの食生活と食品衛生
第2章 食品の安全性を保障する仕組み
第3章 食品の変質と腐敗,汚染
第4章 食品による食中毒を引き起こす微生物と毒素の特徴
第5章 食品による感染症と寄生虫症,人畜共通感染症
第6章 食品添加物
第7章 食品の安全性を保障する具体的な仕組み:食品表示と規格基準
第8章 食品の安全性を担保するこれからの仕組み
第9章(付録) これまでに起こった食中毒事例から学ぶ
第10章(付録) 食品衛生を学ぶための微生物学と化学
【記事】
調理された食品を摂取する時,私たちはそれが安全であることを前提として口にする.食に直接関わる栄養士・管理栄養士は「食中毒の原因になるリスクがある」という視点を持つことが求められる.そのためにも食品衛生学を学び,食の安全に対してリテラシーを持つことは極めて重要である.本書では,初学者でも食品衛生法を基本とする食品安全を保障するルール(法律)について分かりやすく理解しやすいよう,最初にアウトラインを示し,さらに食品に関わる個別リスク因子を学んだ後に食品安全を保障するルールと各リスクが対応するような構成としている.また,高校で化学や生物といった「理系教科」を学んでこなかった学生の理解を高めより関心を持てるよう付録として「食品衛生を学ぶための微生物学と化学」を収録している.さらに,管理栄養士国家試験の応用問題を想定して「これまでに起こった食中毒事例に学ぶ」も付録として収載した.これらの食中毒事例は,衛生管理手法を変えるきっかけとなったものであり,栄養士・管理栄養士として覚えておくべき事例をまとめた.さらに管理栄養士国家試験「新ガイドライン」で20問から30問に増えた応用問題対策としても利用できる.