【記事】
「精神科治療の目標は『幸せ度を上げる』ことに置くべきである」--精神論でなく合理的理由からこう主張する著者は、多くの患者を長期間継続診療し、また地域や司法とも深く関わってきた。その豊富な臨床経験と先達からの学びを基に綴られる本書は、精神科医療を繋ぐ貴重なバトンである。
本書は具体的な症例を挙げ場面ごとの対処法・ヒントを著す各論と、臨床医としての根幹を育むため必要な知識・素養等を著す総論から成る。非言語的サインにどう気づく? 生活行動と症状の関係は? 面接でわかり合うための表現は? 等々、精神科臨床に携わる専門職なら心得ておくべき知見が満載。世代を問わず読み継いでいきたい一冊。