【記事】
本書には私の研修医時代の苦悩が詰まっています。
自分で言うのもためらわれますが、私は非常に出来の悪い研修医でした。国家試験に向けて学んだ知識と実際の臨床のギャップに戸惑い、うまく対応することができなかったのです。医師になると、学生時代に聞いたこともないような知識が山のように降ってきます。当時の私は、何から勉強していいのかすら分かりませんでした。そこで私は、勉強したことを自分で理解できるようにまとめて、ブログで発信することを始めました。それによって少しずつ医学を学び、仕事に適応することができたのです。
それからずいぶん長い時間が経ち専門医にもなった頃、ブログを読み返してみると、曖昧な部分も多く、あまり必要でないことを一生懸命勉強していたりと、とても公開しておくに足るものではありませんでした。そこで、それらをまとめ直し、同じような苦悩を抱える医療者の役に立ててもらうことを思い立ちました。結局、元記事の99%以上を書き直すことになりましたが、本書には私の研修医時代の苦悩が詰まっています。(前書きより)