【記事】
本書では広く論文や書籍をレビューし、医療における共感とはどんな機能/概念かを示した。また、共感現象の理解に大きく寄与する脳科学研究の成果を紹介した。共感の原点は実際の臨床場面にあり、その場で医師(医療者)―患者間で取り交わされた相互作用とそれがもたらす結果について、糖尿病、がん、認知症、腎臓病を持つ人との関わりを通じて提示した。実際の会話や非言語的やり取り、および経過は、それを直接経験しない読み手にも訴えてくるものがある。最後にその測定法について医師側と患者側からの評価尺度を紹介した。