「日常言語」のリハビリテーションのために 失語症と人間の言語をめぐる基礎知識
【目次】
【第1章】フロイトとベルクソンの失語症論
【第2章】ヤコブソンの言語論と失語症論-言語学からみた失語症-
【第3章】ヴィゴツキーの言語論-言葉とその働きを考える-
【第4章】ルリヤの心理学研究と失語症研究
【第5章】バフチンの対話論-社会的活動としてのことば-
【第6章】日常場面での失語症者のコミュニケーション
【第7章】日常言語の世界とその言語活動
【記事】
失語症の研究の歴史が私たちに教えてくれること
本書の目的は、失語症を鍵として、人間の言語の本質を言語学、心理学、哲学、あるいは人類学といった広い視点から紐解いていくことです。
失語症は明らかに人間の言語の本質に関わる問題であり、人間の精神活動、さらには人間存在の根底を支える能力に対する脅威です。失語症からの回復をめざすリハビリテーションの実践には、失語症というものをどのような本質の問題として理解するのかという基礎知識が欠かせません。