続 終末期の苦痛がなくならない時、何が選択できるのか?
【目次】
Prologue
Chapter1 鎮静をめぐる世界の動き
──死亡直前の他に緩和手段のない苦痛に対する最後の手段(last resort)から「患者の権利」へ?
Chapter2 フランスにおける「持続鎮静法」
──先見の明か天下の愚策か?
Chapter3 苦痛緩和のための鎮静の概念の違い
──イギリスとイタリアを比較すると何が見えるか?
Chapter4 安楽死・自殺幇助の合法化の国際的動きが鎮静の議論にもたらすもの
Chapter5 苦痛緩和のための鎮静の実態に関する系統的レビュー
──何がどこまでわかったのか?
Chapter6 鎮静は生命予後を短縮するのか? に関する医学的知見の蓄積
──本当に知りたいことは何か?
Chapter7 鎮静を「目に見える薬の使い方」で定義するという考え方の進展
Chapter8 鎮静中の患者の苦痛を評価する医学研究のチャレンジ
Chapter9 「耐えがたい精神的苦痛」に対する理解を深める提案
──精神的苦痛に対する鎮静の是非
Chapter10 法学における鎮静に関する議論の深化
Chapter11 鎮静をめぐる倫理的な議論の深化
Chapter12 終末期の苦痛がなくならない時,どこまでできるのか?
Epilogue
索引
【記事】
どこまで、できるのか?
前著『終末期の苦痛がなくならない時、何が選択できるのか?』から5年、世界では鎮静の位置づけが見直されつつある。精神的苦痛への鎮静、苦痛を予防する手段としての鎮静の実践が報告され、さらには安楽死の代替手段としての鎮静について、大きな議論がある。
鎮静は苦痛緩和の最後の手段(last resort)にとどまり続けるか、鎮静の守備範囲は拡張されるべきか。自分なりの結論を得て、深い議論をするために。