測れないものを測るには? 医療従事者のための評価スケール・予測モデルの考え方・活かし方
【目次】
1.測定とは
2.主観的・経験的評価スケール
3.主観的・経験的評価スケールの開発
4.主観的・経験的評価スケールの検証
5.機器測定データを組み込んだ評価
6.予測モデルの開発と検証
7.ロジスティック回帰モデル
8.予測モデルはどこへ向かうのか
<付録>
【記事】
一見別物に見える「評価スケール」と「予測モデル」だが、どちらも「世界中どこでも通用する厳密に定義された基準がないものを測ること」を共通の目的としている。また両者には、「信頼性」や「妥当性」が厳しく問われる点でも共通している。
現在の医療分野では「評価スケール」や「予測モデル」を数量化の手段として使用し、機器では測れないものを測り、診断や予後を予測している。
本書では、「予測モデル」を従来からの「評価スケール」の進化版と捉え、開発方法、検証方法、日常臨床における利用、臨床研究における統計処理方法などについて解説。1章では主に用語の解説、2~4章では「評価スケール」、5~7章では「予測モデル」、8章では「臨床家が求める予測モデルとはどのようなものか、今後どのような方向に向かうのか」を問題提起した。
また<付録>として、Rの使い方、分散分析と級内相関係数の関係、診断法の有用性の指標、一般化線形モデル、Cox比例ハザード回帰モデル、欠測値の多重補完法についても述べた。
専門分野での「評価スケール」。「予測モデル」の利用の有無にかかわらず、ぜひ全体を通して読んでいただきたい。