【記事】
がん性疼痛に対する鎮痛薬の進歩はめざましく、種類も増え鎮痛効果も強力になり投与経路も選べるようになったことで予後が長くなり在宅療養が広まりました。自宅で家族との残された時間を生活の質を保って過ごすためにも、疼痛コントロールの必要性はより高くなっています。
一方で、死に直面した患者さんやご家族の悲嘆が痛み管理を複雑にすることがあり、心理精神的痛みや人生の意味を問うスピリチュアルペインまで守備範囲を広げることも必要です。
本書は麻酔科医・ペインクリニシャンとして長年臨床に従事してきた著者が、鎮痛薬の上手な選択・使用に習熟する方法に加え、病気だけを見るのでなく人をみて診療をする、痛みだけを見るのではなく痛みの原因や対処方法なども包括的にみながら痛みのコントロールを目指す方法について症例を交えて解説します。
併せて、複雑な痛み管理のキャパシティを広げ患者さんの様々なニーズに応えられるよう緩和ケアのスキルアップに繋がるばかりか、医療者間のサポートにも繋がる多職種による緩和ケアチームの活動をブラッシュアップする方法を解説します。