【記事】
主な改訂ポイントは以下のとおりです。
ガイドラインを大きく①EBM、②総論、③各論、④社会生活支援の4部構成にして、③各論では食品ごとの特徴や診断、食事指導などを詳述しました。
Mindsに準拠して、他科の診療を担う医師(内科、耳鼻咽喉科、皮膚科)や患者団体などの外部委員を加え、作成過程を明確にしました。
食物アレルギーの確定診断に欠かせない「経口免疫療法」と「食物経口負荷試験」に関するCQを4つ設定し、SRに基づいて推奨を作成しました。
食物アレルギー研究会が作成し2021年3月に公開した『食物アレルギーの診療の手引き2020』や『食物経口負荷試験の手引き2020』、2017年改訂の『食物アレルギーの栄養食事指導の手引き2017』など、公表されている食物アレルギー関連の医療従事者向けの指針と齟齬がないように構成しました。
小児における食物アレルギーの主なリスク因子(家族歴、遺伝子、皮膚のバリア機能、環境因子)に関する記載を多くの論文に基づいて、大幅にアップデートしました。
皮膚症状を欠くアナフィラキシーの診断を明確にするため、2020年にWAO(世界アレルギー機構)がアナフィラキシーの定義や診断基準の改定を提案したことに伴い、本書でも「アナフィラキシーでは重症度によらず適切にアドレナリン自己注射を行う」ことを示しました。
受診患者が増えている「アニサキスアレルギー」や「獣肉アレルギー」「納豆アレルギー」など、遅発型アレルギーに分類される「成人期発症アレルギー」について新たに組み込みました。