【記事】
精神科診療においては、単に症状に頼って病名を付け、ガイドラインに沿って薬を処方するだけではうまくいかないことも多い。本書では、一歩踏み込んだ対応により改善が認められたさまざまな症例の簡潔なレポートと治療のヤマ場におけるポイントをわかりやすく解説する。ヤマ場での対応のいかんで慢性化したり、快方に向かったりするからである。これまでうつ病として外来で抗うつ剤で治療されていた患者を、詳細な問診と入院生活状況の観察から適応障害と診断し、少量の抗精神病薬と家族療法的介入で劇的に改善した例など、著者が経験した59症例を紹介。付録では、100問近い患者・家族からの質問に著者が真摯に答える。