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疾病捜査官 感染症封じ込めエキスパートの事件簿

アリ・S・カーン/ウィリアム・パトリック・著・熊谷玲美・訳

出版社

みすず書房

発行日

2021/07/09

判型

B6

ページ数

344

ISBN

978-4-622-09016-8

本体価格 3,400円
(税込価格 3,740円)

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【目次】
第一章 初めての調査
第二章 名前のないウイルス
第三章 悪魔の顔を垣間見る
第四章 どちらの家にも災厄は来る
第五章 生物学とテロ
第六章 病原体の移動
第七章 始まりはメトロポールホテル
第八章 大洪水の後
第九章 シエラレオネ
第一〇章 #jesuislemonde(#私は世界)
【記事】
著者カーンは元・米国CDC(疾病対策センター)の実地疫学専門家(EIS)、渾名は「疾病捜査官(disease detective)」。その任務は世界各地で発生したアウトブレイクの究明と制圧のための調査や協力だ。これは、サル痘からエボラ出血熱、炭疽菌テロからSARSまで、さまざまな病原体や感染症の封じ込めの現場を振り返る事件簿である。
種々のアウトブレイクはそれぞれどのように勃発し、感染はいかにして拡がったのか。新たな病原体の特性はどこから見出され、対処されたのか。もしアウトブレイクが、テロ攻撃だった場合には? 生物学、医療、行政、地域文化までが絡み合うパズルを、疾病捜査官たちは時間との闘いのなかで解きほぐしていく。
COVID-19発生以前にも数多くの危機があったが、各種のエキスパートたちの奮闘によって比較的局所で封じ込められてきた。パンデミックはつねに紙一重のところにあったのであり、本書の記述がいかに予言的であるかにも愕然とさせられる(原書は2016年、The Next Pandemicという題で刊行された)。カーン博士の扱った事例はサスペンスフルな探偵物語のようでもありながら、公衆衛生について重要な教訓を示してくれる。次のアウトブレイクをパンデミックにしないために、現場のエキスパートの経験とその教訓に耳を傾けたい。

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