高血圧 変わる常識 変わらぬ非常識 臨床高血圧の125年
【目次】
第1章
見えないものの正体を見る─ 血圧測定ことはじめ
第2章
高血圧は,生体に“essential(必要不可欠)” が常識だった
第3章
高血圧発症の成因を求めて
第4章
降圧薬開発の歴史
第5章
ARB─ 狂騒の果てに
第6章
高齢者高血圧,下げるべきか─ 大規模臨床試験による検証の時代
第7章
高血圧治療ガイドラインの変遷
第10章
二次性高血圧
第11章
高血圧心から心不全まで─ 避けられない結末をどうする
第12章
脳卒中と血圧管理
【記事】
2021年は,コロトコフの聴診による血圧測定法が発明された1896年から125年目にあたります。現在では,高血圧は心血管病の最大のリスクであることが判明していますが,実は近年まで,血圧は高い方がよいとされていた事実もあります。当時は常識と考えられていたことも今では非常識。降圧薬の開発にもさまざまな試行錯誤がありました。本書では,臨床高血圧の125年を振り返り,時に厳しく時にユーモアを交え,研究の道のりと最新情報をわかりやすく解説しています。現在の「常識」があれば救えたかもしれない国内外の大物政治家の話や,日本人研究者の知られざる貢献についても数多く紹介しています。
事実を正しくみるという信念を貫いてきた桑島 巖氏が,臨床高血圧研究の物語に満ちた125年をわかりやすく解説しています。各時代の研究者たちがそれぞれに真摯に治療に向き合う姿に敬意を払いつつ,どこに誤りがあったのかを考察。コラムも多く記載されており,楽しみながら高血圧について学べる1冊です。