【記事】
本書は,時代に先駆けて,私たちの道である“作業療法” に先達としての役割を陰日向に,種をまき,育み導き下さった多くの先生方の思いやその最初期の戦闘の日々をも辿るものです.ご縁あって,リハビリテーションでは更地同様の日本に早々と作業療法を手探りで始められた先輩,同胞の皆様方にご登場いただき,最後に未来を担う若き勇士の諸氏にもご登場いただきました.(矢谷令子序文より一部抜粋)
一つの専門職がその国に育つというルーツを尋ね,日本の作業療法士協会発足前の時代背景,関わられ労してくださいました多くの先輩諸氏の過ぎた日々にお逢いしたいと願いました. 編集方針としましては,本の題名をひとまず「日本の作業療法発達史」とし,「発達」という言葉にこれまでに愛され育まれてきた作業療法らしさを込めて2 部構成とし,第一部を歴史を中心に,第二部を草創期からの作業療法実践の立場から,また,「これからの作業療法」として,将来の一端をみる立場から,執筆者のご協力をいただくことに致しました.「温故知新」を改めて考えながら,第一部,第二部を関連させ,作業療法士協会の「五十年史」と合わせて通読していただき,「日本の作業療法発達史―萌芽期の軌跡を尋ねて―」のタイトルの意図とともに,先人たちの息吹を感じ取っていただけましたらこの上ない喜びです.人類の曙があるように,専門職はどうやって生まれてきているのかを先人たちの文章から読み取っていただけることを願って止みません.(福田恵美子序文より一部抜粋)