【記事】
近年,新規糖尿病治療薬の発売が続き,使用する薬物の選択肢が増えた一方で,薬物の選択方法は複雑かつ難しくなった.本書では,年齢や性,糖尿病の型や病態,罹病期間,合併症や併存症の有無だけでなく,疾患や治療に対する患者の思い,経済的状況を含む家庭環境など,さまざまな患者の状況において,最適と思われる薬物の選択方法の考え方や根拠を解説している.また,さまざまな条件を持つ典型症例も提示し,処方に至る過程をより実感できるような工夫もしている.さらに,病態別に選択するべき薬物が一目でわかる早見表も付録として添えた.ガイドラインに記載されている一般的な原則と臨床医の経験則をつなぎ,最適な薬物選択に最短距離でたどり着くための一冊.