余命宣告のストラテジー そのひと手間が訴訟を回避する
【目次】
第1章 医師の説明と患者の理解
第2章 余命告知、Bad News Telling、インフォームド・コンセントの理論
第3章 救急医療における余命告知とBad News Telling
第4章 終末期医療における余命告知とBad News Telling
【記事】
医師の説明に関するトラブルは、最近の人権意識の高揚、自己決定権重視の風潮により、今後ますます増加が予想されています。患者が医師とコミュニケーションをうまく取れないと、治療に対する満足度が低下し、ひいては医事紛争が起こりかねません。
患者に対する説明は医療者全体に関わる重要な問題ですが、いままで広い視点から系統立てて整理した本は多くはありませんでした。本書では、臨床家の立場に限定せず、関連領域の視点からも、病名や余命の告知に伴うトラブルの防止に役立つ知見をできる限り多く収録し、問題を多角的に検討できるよう工夫されています。
救急医療・終末期緩和ケア、医療コミュニケーション学、医学教育学など領域の異なる複数の専門家が、どういったときに訴訟リスクとなるのか、どのように伝えればそれを回避し、より良い医師―患者関係を継続できるのかを、医療訴訟の統計的なデータや現場の医師の実際的な取り組みと合わせて分かりやすく紹介しています。