患者の話は医師にどう聞こえるのか 電子書籍あり 診察室のすれちがいを科学する
【目次】
第1章 コミュニケーションはとれていたか
第2章 それぞれの言い分
第3章 相手がいてこそ
第4章 聞いてほしい
第5章 よかれと思って
第6章 なにが効くのか
第7章 チーフ・リスニング・オフィサー
第8章 きちんと伝わらない
第9章 単なる事実と言うなかれ
第10章 害をなすなかれ――それでもミスをしたときは
第11章 本当に言いたいこと
第12章 専門用語を使うということ
第13章 その判断、本当に妥当ですか?
第14章 きちんと学ぶ
第15章 ふたりの物語が終わる
第16章 「ほんとうの」会話を
【記事】
現代医学はMRI、PETスキャンなどのハイテク機器に夢中だが、最大にして最良の診断ツールは医師と患者の会話だ。有史以来、会話がもっとも病気を発見してきたのだ。
だが、患者が「しゃべった」ことと医師が「聞いた」ことは、どんなときも、いともたやすく別のストーリーになる可能性を秘めている。
症状を伝えたい一心の患者は、一刻も早く医師に言い分を主張したい。一方、つねに数多くのタスクを抱えながら、効率を上げろという圧力にさらされている医師は、一刻も早く診察を結論に導こうとする。さらには医師と患者双方の固定観念や無意識の偏見、共有していない問題なども加わり、コミュニケーションのミスはすぐに医療ミスへとつながっていくこともありうるのだ。
患者は、きちんと自分の症状を伝える努力をしているだろうか? 医師は、患者がほんとうに伝えたいことを受けとる努力をしているだろうか? アメリカの内科医が心を揺さぶるヒューマンストーリーを通して、避けては通れぬ医師と患者のコミュニケーションの問題を徹底分析する。