【記事】
「高次脳機能障害・発達障害・認知症のための邪道な地域支援養成講座」の”実戦編”
ADHDやASDといった発達障害のある当事者の困りごとの原因として、注意障害などがトピックとなってきた。問題の主体は、社会的コミュニケーションの問題、あるいは共感性の問題と呼ばれているものである。知能に問題がなくても、共感性、社会性に問題があれば、社会生活はできない。また、こうした社会性の問題は、知能の問題をも伴う高次脳機能障害でも認知症でもおきる。だからといって知能の問題だけに注目していていいだろうか?社会性の支援はどうしたらいいだろうか?
注意と感情を他者と共有することは、共感性の礎になる。そのため、本書では、まず共感性の基礎作りとなる注意の要素訓練(マインドフルネス瞑想)と感情を他者と共有する能力(情動の伝染)について紹介し、その応用段階である社会的な視点取得の解説へとすすみ、最終的には「当事者の視点に基づく支援」すなわち「ポジティブな行動支援」の具体的な話へと展開する。社会性の支援のためには、限りある当事者の「注意資源」を「社会性に割り振るためのコツ」が必要である。
あなたの知らない「社会リハビリテーション」がつまった新しい1冊である。