【記事】
本書では,生理学的な枠組みを基本とし,体育学やスポーツ科学を学ぶ方々に向けて,大学での講義における運動生理学の基本的内容をまとめていて、各章の末尾には復習問題を付け,知識の確認ができるようにしてある。
執筆者らは,体育系学部で自らもスポーツや運動の実践場面に身をおきながら,生理学,運動生理学,特にトレーニング科学,健康科学,脳神経科学を専門分野として教育と研究に関わってきた。近年の生活環境の変化に伴い,運動不足や体力低下が指摘される一方で,健康志向の高まりや競技スポーツの高度化など,私たちの身体を取り巻く環境は多様化している。トップアスリートとして活躍する学生,指導者や教員を目指す学生,怪我と向き合う学生など,それぞれの目標や立場にあって,本書で学習した内容を,スポーツや運動に関わる事象を科学的,論理的,分析的に考える材料にしていただくことを本書のねらいとしている。