【記事】
本書では,シミュレータやモデルを用いて捉えたヒトの身体制御システムについて,国内外の研究結果に基づく豊富な知見と多数のイラストを盛り込みながら丁寧に解説している.
I部ではFB制御,FF制御などシミュレータを用いた運動制御・運動学習,Ii部では姿勢制御とその運動学習,III部ではUCM解析の理論と運動の協調性の定量化を取り上げている.さらに付録として著者自らが作成した制御シミュレータの取得・操作マニュアルが付いており,読んで理解するのみならず,操作し体感しながら制御の理論や仕組みの理解を深めることができる.
リハビリテーション医学とシステム工学の連携に興味がある研究者をはじめ,さまざまな側面からヒトの姿勢・運動のメカニズムを理解し,臨床で活用したい理学療法士や作業療法士,医師にとっても必読の一冊だと言えよう.