【記事】
著者のライフワークである「記述」、および「暦時間」構造について論じた著。オノマトペや共有時空間に注目した音楽療法士へのインタビュー、正岡子規や岡本太郎の作品を通じた臨床論、さらに総論を展開することで深く「記述」について掘り下げる。また既存の時間論から脱却し、生活感覚・臨床感覚に根差した「暦時間」構造を見出した著者は、独自のスタイルで現実の人物を読み解き、より豊かな臨床の理解を目指す。長年の臨床と研究の果てに改めて回帰した著者自身の原点と、新たに発見した視点とを包括し、著者ならではの自由な筆致で記した一冊。