【記事】
遺伝子解析法の発展とともに中枢神経先天疾患に対する出生前画像診断の臨床的意義はますます重要性を増している。今日では超音波による胎児画像診断に加えて、胎児MRIを撮像することで、より正確な出生前の形態評価が可能になってきた。しかしながら、中枢神経疾患を対象とした胎児MRI診断に関して系統的に解説した成書は極めて少ないのが現状である。
そこで本書は、胎児期に発生する代表的な中枢神経疾患を取り上げ、まず胎齢を追うごとに変化する正常胎児脳のMRI所見を整理。その上で、代表的な脳奇形を症例ごとに(1)読影、(2)診断に必要な基礎知識、(3)遺伝的背景、(4)MRI診断のポイントに分けて概説。特に重要と思われる発生学的事項や鑑別診断はサイドメモとして追加した。