【記事】
これまでの政治学研究では、医療問題を社会保障の一環、あるいは福祉国家研究の一分野として扱ってきた。ところで日本の医療システムは、経済的負担が軽い一方で衛生状態は総じて高い。後発の福祉国家としてなぜ医療制度だけが突出して発展しているのか。こうした特性はいつ、どのように生じたのか、本書は歴史的経緯を丹念にたどり、医療面における日本の近代化過程を解明する。さらに、医療と福祉国家の関係についての新たな視野を提示する。
[ここがポイント]
◎ 日本の医療制度成立過程を通史的に分析する
◎ これからの医療制度を考えるための基盤を提供