【記事】
本書は,アリス・メダリアらによって開発された認知矯正療法であるNEARを臨床で実践する人のためのマニュアルの第2版である。第1版の出版後,テクノロジーの大幅な進歩があり,また治療経験の積み重ねから,大幅な改訂が加えられている。また,初版マニュアルには収録されなかった橋渡し(ブリッジング)グループの運営についても,多くの例を挙げて細かに紹介されており,臨床でNEARを実践するための指針を得ることができる。
NEARはコンピュータゲームを使ったリカバリー志向の認知矯正療法である。NEARは内発的動機づけを重視し,コンピュータセッションと言語セッションを用いて参加者の認知機能を高め,自立を促す。本書をきっかけとして,多くの施設で当事者がNEARを受けられる体制が構築されることが期待される。