【記事】
現在,日本では,学会などから公開されている数多くの感染対策ガイドラインを参考にしながら各病院ごとに独自のマニュアルが作成されています。これらの情報源として多くを占めるのがCDCガイドラインであると言えます。CDCが公開する数々のガイドラインは,エビデンスに基づいた極めて有用な内容であるからです。しかし,その情報量は余りにも膨大ですべてを読破することは現実的には困難です。
そこで,この膨大な情報の中から実践で役立つ重要なメッセージを厳選し,感染対策の全体像と要点を把握できる実務的な本があれば,研修医や新人看護師のみなさんはもとより,現場で活動するすべての医療従事者の方々に有益なものになると考え,本書を執筆しました。
本書では主要なCDCガイドラインやガイダンスを中心に「ルール+解説+文献」の形式でまとめています。ルールのみを読んでいただいても十分に役立つと思います。
また,CDCガイドライン以外にWHOや米国外科学会など海外で公開されているものや,国内にも重要なガイドラインがありますから,それらの情報源からも日本の医療現場の実情にあわせて必要な感染対策を本書に盛り込んでいます。
本書が,医療従事者の方々の座右の書として職場で活用されることを希望します。最後に,この企画を提示いただいた(株)リーダムハウスの多賀友次氏に謝意を表します。