【記事】
精神科医療に身体リハビリテーションを組み込む
本書に書かれている身体リハビリテーションに対する具体的な実践は,23年前に医療法人社団光生会平川病院で始められた先進的な試みの集大成であると同時に,これからますます超高齢化を迎える社会に対応していく医療体制づくりのモデルともなるものです.
近年,身体リハビリテーションが精神疾患を抱える患者さんの予後の回復に重要な関わりと高い相関を持っていることが注目され始めていますが,それを現実の精神科医療の中で実践していくためには身体リハビリテーションと精神科医療とを繋ぐ広い理解が必要となってきます.
本書はそうした知識の中でも,毎日の臨床に即役立つ,とりわけ重要な必須知識をピックアップしたガイドブックです.
身体リハビリテーションを実施する際の留意点はもちろんのこと,精神科リハビリテーション,医学的治療や管理,栄養管理,看護,ソーシャルワークなど,医療連携に欠かせない関連各科の知識をわかりやすく解説しています.また認知症合併に対する対処法についても詳しく解説しました.
身体リハビリテーションに直接に関わるセラピストだけでなく,心身両面に対する全人的な医療の実践を願う医療関係者すべてに役立つ情報を提供しています.