【記事】
近年,わが国でも病気を持つ労働者の増加によりプレゼンティーイズム(狭義は「健康問題に関連した労働生産性損失」)への関心が高まってきている。今後,高齢者の増加,がん等の治療の進歩による辞職しない人の増加,うつ病・適応障害・発達障害などの増加により,さらなる増加が予想される。本書は,プレゼンティーイズムを「健康問題を持ちながら出勤している状態」と広く捉え,この状態が労働者個人やその家族,企業,社会にとってどのような意義を有するのか,という広い視点からみることを提唱する。そして,これまでの主に欧米の研究をわかりやすく紹介しながら,プレゼンティーイズムの意義とわが国での研究の必要性を具体的に説く。プレゼンティーイズムに関心をもつすべての人に。