【記事】
EMDR(眼球運動による脱感作と再処理法)は、患者への負担が少なく,短期間で成果を得られる安全な手法としてエビデンスのある心理療法である。本書は,長い年月をかけて蓄積されてきた臨床知見に基づき,複雑性PTSD(重篤な愛着障害,解離性パーソナリティ構造,根深い心的防衛)治療の概観を提示。標準EMDRに対する理解をさらに深め,臨床に役立つ追加的治療ツールを授けてくれる。パーソナリティ障害,嗜癖障害,児童虐待被害者など,複雑な問題を抱えるクライエントの治療セッションを組み立てるのに役立つだろう。PTSD以外にも治療対象の拡大が期待されるEMDRを使いこなし,人々によりよい変化をもたらしたいEMDR治療者必携の書。